内陸は財布が固く、海岸部はゆるい?洗車の商圏選びの話

「独立して洗車を始めよう」と決めたあと、多くの方が次に悩むのが“どこで商売をするか”です。人口や平均所得をネットで調べる方は多いのですが、実際に現場に立ってみると、数字だけでは見えてこない“お金の使い方の差”があることに気づきます。今日は、そんな商圏(しょうけん)にまつわる小話をひとつ。

洗車の商圏選びとは、人口や平均所得の高さだけでなく、「その地域の人がお金をどう使うか(消費性向)」と「車への価値観」を見て、洗車にお金を払う人が集まるエリアを見極めることです。

「内陸は財布が固く、海岸部はゆるい」と言われるわけ

現場では昔から、こんな言い方をされることがあります。「海沿いは財布がゆるく、内陸は財布が固い」。たとえば漁業が盛んな海沿いの町では、一度の水揚げで大きな収入が入ることがあり、入った分をパッと使う文化や、見栄・体裁にお金をかける気風が育ちやすいと言われます。一方、内陸の農業が中心の地域は、天候と長く付き合いながらコツコツ収入を積み上げるため、堅実で質素、いわゆる“財布が固い”傾向がある、という話です。

もちろん、これはあくまで大づかみな傾向で、個人差は非常に大きく、特定の職業や地域を良い・悪いと評価するものではありません。堅実さは、事業者としてはむしろ見習うべき美点でもあります。ここで大切なのは、「収入の“入り方”が、その土地の消費文化をつくる」という視点です。洗車のように“気持ちよさ”や“見せる楽しみ”にお金を使うかどうかは、この消費文化に左右されます。

所得の高さだけで商圏を選ぶと、なぜ外すのか

「平均所得が高い地域を選べば洗車も売れる」と考えたくなりますが、現場感覚では必ずしもそうではありません。所得が高くても堅実な層は、洗車を自分で済ませたり、そもそも車の汚れに無頓着だったりします。逆に、平均所得が飛び抜けて高いわけではなくても、車を“自己表現”として大切にする文化のある土地では、プレミアム洗車やコーティングの単価がすんなり通ることがあります。見るべきは、収入の「額」よりも「使い方」なのです。

項目一括・変動収入型の地域
(例:漁業が盛んな海沿い など)
定期・堅実収入型の地域
(例:農業が中心の内陸 など)
お金の使い方の傾向入った分を使う・見栄や体裁に前向きコツコツ貯める・質素で堅実
車への価値観“見せるもの・自己表現”になりやすい“移動の道具”で実用重視になりやすい
洗車へのお金の使い方単価が通りやすい必要最低限になりやすい
商圏としての狙い方プレミアム洗車・コーティングを訴求手軽さ・定期契約・実用性で訴求
※あくまで傾向であり、個人差が大きい点にご注意ください。

洗車の商圏選びで実際に見る5つの視点

小話を実務に落とし込むと、商圏を見極めるときのチェックポイントは次の5つに整理できます。

  1. 車の保有状況と車種……高級車やSUVなど、手をかけたくなる車が多いか。駐車場やディーラーの様子で分かります。
  2. お金の使い方(消費文化)……“気持ちよさ・見せる楽しみ”にお金を使う土地かどうか。
  3. 競合と“洗車難民”……ガソリンスタンドの洗車機が減り、手洗いしてくれる店が近くにないエリアは、むしろ狙い目です。
  4. 繰り返し会える“面”があるか……商業施設・ゴルフ練習場・企業など、同じお客様と定期的に接点を持てる場所があるか。
  5. 塩害などの洗車ニーズ……海沿いは塩分でボディが傷みやすく、“財布のゆるさ”とは別に洗車の必要性そのものが高い、という利点もあります。

それでも「立地」以上に大切なこと

ここまで商圏の話をしてきましたが、水なし洗車と出張型のスタイルには、固定店舗にはない強みがあります。決まった立地に縛られず、狙ったお客様のところへこちらから出向けるため、商圏を“選ぶ”だけでなく“つくる”ことができます。そして最後にものを言うのは、どのエリアであっても「繰り返し選ばれる品質」です。商圏選びは大切な入り口ですが、選んだあとに満足していただき、リピートにつなげていくことが、洗車ビジネスの本質だと考えています。

洗車の商圏選びのよくある質問

Q. 商圏は、やはり所得の高い地域を選ぶべきですか?

A. 「額」よりも「使い方」を見ることをおすすめします。堅実で所得が高くても洗車にお金を使わない層もいますし、逆に車を大切にする文化のある土地なら単価が通りやすくなります。車への価値観と消費文化をあわせて見るのが失敗の少ないやり方です。

Q. 海岸部と内陸、どちらが洗車ビジネスに向いていますか?

A. 一概には言えません。海沿いは“財布がゆるい”傾向に加えて、塩害でボディが傷みやすく洗車ニーズ自体が高いという利点があります。内陸は堅実な分、定期契約や手軽さを打ち出すと響きやすくなります。それぞれに合った訴求の仕方があります。

Q. 出張洗車なら、商圏は気にしなくてよいのですか?

A. 立地の縛りは小さくなりますが、移動の効率とお客様の密度は大切です。狙う層を決めて“面”で攻めるほうが効率的に回れます。商圏を無視するのではなく、自分で選んでつくれる、と考えるとよいでしょう。

Q. 未経験でも商圏の見極めはできますか?

A. できます。実際に足を運び、駐車場の車種、ガソリンスタンドの洗車機の混み具合、手洗い店の有無を見るだけでも多くのことが分かります。開業前の研修や資料でも、エリアの考え方をご案内しています。

「自分が始めるならどのエリアがよいか」を具体的に整理したい方は、無料の資料で開業の全体像とあわせてご確認いただけます。

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